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−とかくこの世は−トップへ (2007/02/26)

とかくこの世は
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第14回 ウナギの悪巧み

第13回 “リプレイ政治”からの脱却

第12回 曲折の白球譜

第11回 ボツになった死亡記事

第10回 ホフハ試験薬

第9回 団塊定年待望論

第8回 自殺予防薬

第7回 鎮魂譜

第6回 薩摩守はいずこ

第5回 「ハイ」と言えない子供たち


第4回 死のスタイル

第3回 日本史教えぬ「美しい日本」

第2回 ある暴走族との出会い

第1回 賀状有情

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 カモン!ルーシー
庫裡から悶々
ははんほほう話




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 檀林風発




肇道和尚の「如是我聞」

 年間3万2552人。一昨年の自殺者総数である。交通事故死者の5倍を増す人々が自らの命を絶っている異常をあなたは何と見る。しかも3万人超という痛ましい数字は一昨年まで8年間も続いているのだ。

 この間の自殺死亡率(人口10万人に対する自殺者数)は男女計で25、男性では33以上の水準で推移している。最近の自殺の特徴は、中高年の男性の急増。高齢女性の自殺率は男性より低いものの、国際的には高水準にあり、加齢するほど増えていることである。
 さらに特筆すべきは、55歳から59歳の男性が70台という高い自殺率であることだ。1000万とも700万人ともいわれる「団塊の世代」の大多数が、この年齢層に当たるのだから事態は深刻である。

 自殺者の周辺には何らかのメッセージが残されている。死因、動機のトップは健康問題である。警察庁が、2004年の遺書のある自殺者、1万443人を調べたところ健康関係が39%、次いで経済生活33%、家庭関係9%、勤務関係6%の順であった。
 健康問題が生ずると、家庭に迷惑を掛けてはいけないという自責の念から自分の存在価値に対する不信が募って、高齢者は鬱状態になり自殺に至る(国立社会保障・人口問題研究所、金子能宏氏−ブリタニカ国際年鑑)という。

 一方、ここ数年、新聞を騒がせたのがインターネットの自殺情報サイトによる集団自殺だ。多くは20〜30歳代の若者たち。パソコンで結ばれただけの相手である。名前も知らなければ、顔を合わせたこともないのに、死を共にしようという心境はどういうことなのだろうか。

 いま、人々は集団社会に生きながら、価値観の多様化を口実に話し合うことを忘れてしまった。協力という習慣も無く、共生という言葉は死語と化した。

 近隣交際の基本だった挨拶も交わさない。近所に住みながら、わけもなく顔を背けあっている。ただ「他人に覗かれたくない」というだけのためになのだ。この感情の延長線上には「家庭も他人」という想いが見え隠れする。
 親兄弟、わが子までも手に掛けてしまう親族殺しへとエスカレートしている世相を思うと、自殺と他殺とは“命”という砦を巡って同じ土俵上にあるのかもしれない。

 自殺者の増加は、日本だけの現象ではない。バルト三国やロシア、ハンガリーなどの自殺率は日本より高いといわれており、各国とも防止対策に知恵を絞っている。

 我が国の場合、数年前、厚労省が自殺防止対策有識者懇談会を立ち上げ、自殺予防のための提言をまとめている。
 骨子は、自殺を考えている人々への支援の呼びかけだが、その中で「社会や他人とのつながりをもつための支援」を挙げていることにはうなづける。“孤立”が自殺の元凶ならば、“隣人愛”は自殺予防の良薬ということだ。

 超党派の議員提案で自殺対策基本法が成立した。掛け声倒れに終わっては困るが、「交通戦争」が深刻化した1975年、交通安全対策基本法を制定し、政府を挙げて交通事故対策と取り組んできたことが、大きな成果につながった歴史もある。関係省庁がこぞって自殺対策を進めるように促している点は評価していい。まずは住みよい環境の整備であり、それを包む暖かい人々の輪を確かなものにしなくてはなるまい。






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