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−庫裡から悶々−トップへ                                         (2010/12/19)
     第54回   黄海上の因縁
 
庫裡から悶々
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第60回 復興に向けてひたすらに祈ろう

第59回 醜き禁じ手の伝統

第58回 さつまいもブームに寄せて

第57回 怪しいタイガーマスク現象

第56回 思い出しても「ぞぉーっ」

第55回 あぁ、日本よ何処へ行く

第54回 黄海上の因縁

第53回 新聞の酒

第52回 追憶のフィンガー・メロディー

第51回 “きょろきょろ人”

第50回 さあ大変!ハが抜けた

第49回 誰ぞ知る

第48回 国鉄由来の事故さばき

第47回 「○にする」

第46回 ゾロ薬品の普及を妨げるのは誰?

第45回 仏像展余話

第44回 “逆出家”老尼の有情無情

第43回 『K・Y』の政教一致

第42回 消えた檀家

第41回 臆病は隠蔽の母

第40回 撒き餌政治

第39回 串刺しルート

第38回 鈴虫だって「リンリ」と鳴く

第37回 複眼で成功した『おくりびと』

第36回 「笑っちゃう」ではすまない

第35回 語り継ぐ義挙

第34回 良い夢見ようよ

第33回 舌禍読禍宰相禍

第32回 冒頭の終わり


第31回 振り込め詐欺の真犯人

第30回 「老人力」のすすめ

第29回 僧徒たるを悔ゆる日

第28回 偶感「昭和二十年八月十五日」

第27回 仰げば恥ずかし わが師の陰

第26回 横綱の品格

第25回 『黄門さま』いずこ

第24回 戒めの16文字

第23回 百年目の「汚物教師」

第22回 怠慢の「12分」

第21回 物言いの一番

第20回 沖縄戦集団自決の真相究明に妥協は許されない

第19回 落ち葉して木々凛々と

第18回 『広辞苑』と私

第17回 子なき家

第16回 “軽老精神”

第15回 5W1Hプラスα

第14回 教育勅語から酌むべきもの

第13回 失われたニッポン人のDNAは再生出来るか

第12回 助けられたり助けたり

第11回 怯懦な共犯者

第10回 「最良のもの」探す日々

第9回 内角の和の中にをり石鼎忌

第8回 世直し先生は街角にいる

第7回 ある天文学者の遺言

第6回 壊れる家々の悲鳴

第5回 嗚呼!硫黄島−兵士たちの慟哭が聞こえる


第4回 よく聴けよ!柳沢大臣

第3回 無機質な社会の中で


第2回 義挙へのもどかしさ

第1回 ついの棲み家は姥捨山

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 カモン!ルーシー
とかくこの世はははんほほう話


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肇道和尚の「如是我聞」

 喉元過ぎればなんとやら、で国内では沙汰やみになってしまったが、窮鼠の隣国を相手にしている韓国では全国民を挙げて避難訓練を実施するなど、38度線をめぐる緊張は高まるばかりのようだ。ノドン、テポドンの射程は日本列島をも包み込む。まかり間違えばミサイルが飛来しないとも限らず、しかも、その危機感が政府に希薄なのだから、筆者には冷めやらぬ不安がある。

 北朝鮮が韓国側を砲撃した、との一報に接し、すぐに思い浮かべたのが116年前の日清戦争における黄海海戦である。標的にされた延坪島が黄海に浮かぶ小島であり、米韓の合同軍事訓練を非難しての北朝鮮の作戦だったせいである。奇妙にも、当時の国内の政情や周辺諸国との関係には似通ったものがある。

 その頃の日本は近代化されてから日が浅く、大日本帝国憲法が発布されて初の衆議院総選挙が行われたばかりだった。政界では立憲自由党と立憲改造党をはじめとする自由民権運動に連なる反政府陣営の諸派が対立し、混迷を深めていた。一方、清国との従属関係にあった朝鮮はといえば、知日派の独立党と清国派の事大党との政争が絶えず、政争の裏側では欧米とくに英露が複雑にかかわっていた。やがて内政統一に手が負えなくなった朝鮮政府は清国に出兵を要請。時を同じくして亡命中だった知日派の金玉均が上海に誘い出されて暗殺される事件も起きていた。日本国内の対清国感情が高まる中で、政府は居留民保護の名のもとに朝鮮へと出兵したのである。

 日清戦争とは、とどのつまりは朝鮮における日清両国の政治的主導権をめぐる戦争だった。その戦争で日本が勝利を収めることができた一大要因が黄海海戦である。日本の連合艦隊は黄海で清国の北洋艦隊の掃討に成功、制海権を握って、その後の戦況を有利に運んだのである。

 機を見るに敏というべき積極策で列強の覇権争いに分け入った日本が今、情けないことに北朝鮮の乱行になすすべもなく、ただうろたえている。日本列島はノドン、テポドンの射程にすっぽりと収まっているだけに、まかり間違えば、ミサイルの飛来で延坪島と同等以上の被害を受けかねないというのに、その危機感があるのかないのか、政府は無為無策だ。菅首相のもとには砲撃の情報さえ満足に入らず、「テレビの報道で事態を知った」などと能天気なコメントを公表する始末だ。野党は政府の無能ぶりとお粗末な危機管理を攻め立てるだけで、与野党が一致協力して国難に立ち向かおうとする姿勢は見られない。そもそも政治家にも国民にも国を守ろうとの意識が欠如してしまっている。

 先の大戦に敗れた日本は、戦争を放棄し、平和を希求する国家に生まれ変わった。それは正しい選択であった。だが、だからといって、尖閣諸島や竹島や北方領土の領有権まで放棄したわけではない。外敵の攻撃に対しては、毅然として立ち上がり、国を守らずにいかんとしよう。国を守らずに、家族も隣人も恋人も守ることはできない。専守防衛が、国防の放棄であってはならない。このままでは領土を次々と奪われ、国内を外国勢力に蹂躙され、日本人は新たなスタイルの難民になり下がってしまうのではないか。太平洋戦争に殉じた英霊たちの慟哭が、耳に突き刺さってくる。戦争世代の一人として、覚醒をうながさずにはいられない。

 因縁めいた黄海上の紛争を過小評価していてはならない。場所が場所だけに、後悔先に立たず、である。







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