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−庫裡から悶々−トップへ                                         (2009/11/10)
      第45回     仏像展余話
 
庫裡から悶々
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第52回 追憶のフィンガー・メロディー

第51回 “きょろきょろ人”

第50回 さあ大変!ハが抜けた

第49回 誰ぞ知る

第48回 国鉄由来の事故さばき

第47回 「○にする」

第46回 ゾロ薬品の普及を妨げるのは誰?

第45回 仏像展余話

第44回 “逆出家”老尼の有情無情

第43回 『K・Y』の政教一致

第42回 消えた檀家

第41回 臆病は隠蔽の母

第40回 撒き餌政治

第39回 串刺しルート

第38回 鈴虫だって「リンリ」と鳴く

第37回 複眼で成功した『おくりびと』

第36回 「笑っちゃう」ではすまない

第35回 語り継ぐ義挙

第34回 良い夢見ようよ

第33回 舌禍読禍宰相禍

第32回 冒頭の終わり


第31回 振り込め詐欺の真犯人

第30回 「老人力」のすすめ

第29回 僧徒たるを悔ゆる日

第28回 偶感「昭和二十年八月十五日」

第27回 仰げば恥ずかし わが師の陰

第26回 横綱の品格

第25回 『黄門さま』いずこ

第24回 戒めの16文字

第23回 百年目の「汚物教師」

第22回 怠慢の「12分」

第21回 物言いの一番

第20回 沖縄戦集団自決の真相究明に妥協は許されない

第19回 落ち葉して木々凛々と

第18回 『広辞苑』と私

第17回 子なき家

第16回 “軽老精神”

第15回 5W1Hプラスα

第14回 教育勅語から酌むべきもの

第13回 失われたニッポン人のDNAは再生出来るか

第12回 助けられたり助けたり

第11回 怯懦な共犯者

第10回 「最良のもの」探す日々

第9回 内角の和の中にをり石鼎忌

第8回 世直し先生は街角にいる

第7回 ある天文学者の遺言

第6回 壊れる家々の悲鳴

第5回 嗚呼!硫黄島−兵士たちの慟哭が聞こえる


第4回 よく聴けよ!柳沢大臣

第3回 無機質な社会の中で


第2回 義挙へのもどかしさ

第1回 ついの棲み家は姥捨山

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とかくこの世はははんほほう話


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肇道和尚の「如是我聞」

 東京・上野の国立博物館でこの春、開かれた興福寺阿修羅像展が60日の会期中に94万人という入場者を集めたのをはじめ、このところ、仏像展はいずこも大盛況だ。

 その人気に誘われたわけでもないが、大仏師の松本明慶の彫刻展を見ようと、池袋駅西口の東武デパートに出かけたのは、10月のある日のことだった。

 乗降客数日本一、加えて休日とあってJR池袋駅の雑踏はすさまじかった。それなのに、どう見届けたのか、出札口を出た途端、「やあ、しばらく」と男に声を掛けられた。「やあ」と私も応じた。「鈴木も田中も元気だよ。ところで……」と、親しげな顔つきで立て続けに話しかけてくる。

 記者時代、駅前にあった新聞社の支局で支局長を務めていたことがあり、定年後もしばらく地域の会社に出入りしていたので知人は少なくない。親しげに声を掛けられたのだから、通り一遍の付き合いではなかったはずだが、どうしても関係が思い出せない。「鈴木って?」「ホレ、あの専務よ」といわれても分からない。見当外れの会話が続く。

 「ところで今何してる?」と私。待ってましたとばかり、相手はズボンのポケットから100万円以上もあるような分厚い札束をちらつかせ、「女房が中央競馬会のトレセン(トレーニングセンター)に勤めていて情報が入ってくるんだ」。得意げな顔を見て、ようやく私にもぴんと来た。「景気がいいな。一杯呑ませろよ」と話を合わせてみると、相手は案の定、「うん、そこで情報元が待っているんだ。どうだ、一緒に来ないか」と誘ってきた。

 危ない、危ない。不景気はご用心。「今日はデパートの仏像展を見に来たんだ。友だちが待っているしナ。今日は軍資金の待ち合わせもないんだ……」といなすと、男は意外にもあっさりと「じゃあ、またな」と雑踏の中に消えていった。

 必勝の馬券購入術とやらには惹かれるものがあり、競馬ファンならば乗せられてしまったかもしれない。鈴木、田中といった苗字番付上位の名前を挙げた狂言回しで迫ってくるあたりは、手だれの詐欺師だったのだろう。うっかり街は歩けない。仏像展の仏様のお陰か、相手を振り切ることが出来たが、「自分も付け込まれるような間抜けな顔をしていたのだろうか」と思い返せば、気恥ずかい。

 仏像展は盛況満員だった。だが、契約済みの札が付けられた仏様は、仏壇用の小品か大黒様だけだった。







和尚が聞く!‐NYOZEGAMON INTERVIEW‐

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