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−庫裡から悶々−トップへ (2008/05/15)
     第25回   『黄門さま』いずこ
庫裡から悶々
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第35回 語り継ぐ義挙

第34回 良い夢見ようよ

第33回 舌禍読禍宰相禍

第32回 冒頭の終わり

第31回 振り込め詐欺の真犯人

第30回 「老人力」のすすめ

第29回 僧徒たるを悔ゆる日

第28回 偶感「昭和二十年八月十五日」

第27回 仰げば恥ずかし わが師の陰

第26回 横綱の品格

第25回 『黄門さま』いずこ

第24回 戒めの16文字

第23回 百年目の「汚物教師」

第22回 怠慢の「12分」

第21回 物言いの一番

第20回 沖縄戦集団自決の真相究明に妥協は許されない

第19回 落ち葉して木々凛々と

第18回 『広辞苑』と私

第17回 子なき家

第16回 “軽老精神”

第15回 5W1Hプラスα

第14回 教育勅語から酌むべきもの

第13回 失われたニッポン人のDNAは再生出来るか

第12回 助けられたり助けたり

第11回 怯懦な共犯者

第10回 「最良のもの」探す日々

第9回 内角の和の中にをり石鼎忌

第8回 世直し先生は街角にいる

第7回 ある天文学者の遺言

第6回 壊れる家々の悲鳴

第5回 嗚呼!硫黄島−兵士たちの慟哭が聞こえる


第4回 よく聴けよ!柳沢大臣

第3回 無機質な社会の中で


第2回 義挙へのもどかしさ

第1回 ついの棲み家は姥捨山

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 カモン!ルーシー
とかくこの世はははんほほう話


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 檀林風発 
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肇道和尚の「如是我聞」

 遠山の金さん、銭形平次、桃太郎侍、etc.……と数ある時代劇の中で、代表格は何と言っても、「水戸黄門」だろう。TBSテレビの場合、昭和44年の放映開始以来、その数、千百余回にも及ぶ。長寿番組たる秘訣は、実はテーマソング「あゝ人生に涙あり」に明かされている。

  人生楽ありゃ苦もあるさ 涙の後には虹も出る
  人生勇気が必要だ くじけりゃ誰かが先に行く
  人生涙と笑顔あり そんなに悪くはないもんだ
 なんにもしないで生きるより 何かを求めて生きようよ

 時代劇の見所は、とどのつまりは悪をくじき、善を勧める「勧善懲悪」にある。「水戸黄門」には、必ず悪代官と(越後屋のような)奸商が登場し、百姓や商人といった下々がいつも苛めに遭う。最後はご老公の葵の紋章入りの印籠が威力を発揮し、苦海の人々を助けだし、めでたし、めでたし。ファンにはこの展開がたまらない。
 
 筋書きは分かりきっていても、見る者をあきさせないのは、世にはびこる悪事に悩まされながら、手も口も出せない下々のもどかしさ、切なさが他人ごととは思えないからだ。

 時代劇に描かれる江戸の社会のありようが、現実社会に酷似しているのは、一つには脚本家らが風刺的な効果を狙っているせいだが、そればかりではない。社会の構造が封建時代に比べて近代化されたことは確かでも、政りごとは旧態依然の仕組みを引きずっている。特に最近の永田町(政界)と霞ヶ関(官界)大手企業(財界)の絡み合いは、「水戸黄門」の世界と大差がない。

 菓子箱の山吹色に目のない「お代官さま」の役どころは、さしずめ官僚と政府・与党。奸商を財界や族議員と置き換えれば、彼らのくぐもった笑い声まで聞こえてくるようだ。

 今の世の中には「黄門さま」が憤慨しそうなことだらけだ。

  • さすがに近ごろは見かけなくなったが、一昔前までは店頭に麗々しく飾られた「○○政治連盟会員」の証。会費は族議員に政治献金しています、と臆面もなく表明する証明書。政界に顔が効くという膏薬のようなものでもある。
  • 企業内の健康保険組合は従業員の保険料の源泉徴収機関だが、ぬかりなく健康保険政治連盟が存在し、組合費の一部を政治献金の名でピンはねする習わしだ。
  • 国会議員に配られているJR全線のグリーンパスは、かつては国鉄から支給されていたが「赤字国鉄の無駄つかい」とマスコミから指摘されて返上。代わりに国費支弁に切り替えた。一度掴んださつま守(忠度=ただのり、無賃乗車のこと)の役得は手放さない執念は見事でさえある。
  • 企業献金が規制されると、税金拠出の政党助成金がお手もりされた(赤子を含んだ国民一人当たりの負担は250円)。
  • 「貧乏人は麦を食え」とノタモウタ大蔵大臣は、その2年後「中小企業の5人や10人自殺しても止むを得ません」といってののけたことを忘れまじ。暴言の主は、所得倍増計画をひっさげて戦後間もない日本の高度経済成長を実現させた池田勇人首相、その人だ。冷酷、非常の暴言の流れを汲む自民党が、老人健保の赤字対策として『後期高齢者医療保険制度』を打ち出し、75歳以上の高齢者保険料を家族の扶養から切り離して自己負担とした。弱者苛めと家族・世代間の分断を図った許し難い暴挙。同時に末期高齢患者の生命維持装置の取り外し措置の取り扱いを決めたのは「老人は死ね」という棄老政策にほかならない。
  • 高騰する医療費の節減策として、開発特許が切れた後の安価薬(ジェネリック薬=後発薬)の普及を図れば、相当額の医療費削減が可能なはずだが、医者も厚生労働省も政治家も導入に消極的なのはナゼなのか。おまけに厚生労働省は生活保護の受給者にジェネリックを、と言い出すから、見栄っ張りな患者がジェネリックに手を出しにくくなってしまった。ジェネリックに切り換えた場合の医療費削減効果はバカにならない。例えば、鎮痛剤の場合、百錠3千数百円の特許薬が、ジェネリックだと6百円で買える。薬の開発特許期間(20〜25年)が切れた大手製薬の薬価を据え置かずに、ジェネリック価格並に引き下げるなどの保険薬価の適正化措置が検討されない理由も一般には知らされていない。同じ名称、似たような効用の薬が医科向、薬店向、健保組合向と3種も作られていたり、“薬九層倍”の仕掛けは複雑だ。製薬業界を不当に肥えさせず、薬価の適正化で健保料の引下げは可能ではないのか。

 衆参両院勢力のねじれ現象のお陰で、今まで隠されていた官・政界の闇が晴れていく。年金も健康保険も税金も、役人と政治家にむしり取られ、つまみ食いされていた実態が浮かび上がってきた。それは時代劇の悪代官、奸商が演じた醜態そのままだった。

 「水戸黄門」が世直しに快刀乱麻を断ったのは、もちろんフィクションにすぎない。歴史上は実在しないヒーローだからこそ、待望論が生まれ、ドラマにもなる。実際、今の世の中ほど「黄門さま」にご登場願いたい時代もあるまい。

 「黄門さま」は今の世には生きている、と私は考える。「黄門さま」は有権者の化身、そして、印籠は世論の象徴だ。「黄門さま」を先頭に現代の悪代官どもに、「この印籠が目に入らぬか」とばかり、正義の鉄ついを下してやろうではないか。
 待ち遠しいのは衆議院の解散、総選挙である。









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