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−庫裡から悶々−トップへ  第20回                                      (2008/01/19)
  沖縄戦集団自決の真相究明に妥協は許されない
  
庫裡から悶々
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第35回 語り継ぐ義挙

第34回 良い夢見ようよ

第33回 舌禍読禍宰相禍

第32回 冒頭の終わり

第31回 振り込め詐欺の真犯人

第30回 「老人力」のすすめ

第29回 僧徒たるを悔ゆる日

第28回 偶感「昭和二十年八月十五日」

第27回 仰げば恥ずかし わが師の陰

第26回 横綱の品格

第25回 『黄門さま』いずこ

第24回 戒めの16文字

第23回 百年目の「汚物教師」

第22回 怠慢の「12分」

第21回 物言いの一番

第20回 沖縄戦集団自決の真相究明に妥協は許されない

第19回 落ち葉して木々凛々と

第18回 『広辞苑』と私

第17回 子なき家

第16回 “軽老精神”

第15回 5W1Hプラスα

第14回 教育勅語から酌むべきもの

第13回 失われたニッポン人のDNAは再生出来るか

第12回 助けられたり助けたり

第11回 怯懦な共犯者

第10回 「最良のもの」探す日々

第9回 内角の和の中にをり石鼎忌

第8回 世直し先生は街角にいる

第7回 ある天文学者の遺言

第6回 壊れる家々の悲鳴

第5回 嗚呼!硫黄島−兵士たちの慟哭が聞こえる


第4回 よく聴けよ!柳沢大臣

第3回 無機質な社会の中で


第2回 義挙へのもどかしさ

第1回 ついの棲み家は姥捨山

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とかくこの世はははんほほう話


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 檀林風発 
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肇道和尚の「如是我聞」

 太平洋戦争末期の沖縄戦での集団自決は、果たして日本軍の命令や強制によるものだったのだろうか。

 高校日本史の教科書記述表現について昨冬、文科省が「基本的捉え方」を発表した。文科省の諮問機関・教科用図書検定調査審議会がまとめたものだが、「直接的な軍の命令を示す根拠はないが、関与はあったはずだ」と、玉虫色の結論だった。
 戦後60年以上も、歴史教育を放置したツケとはいいながら、生き証人の大半が亡くなり、当時とは価値観も多様化した今頃になっての決着がこの程度たっとは、割り切れない感情が残っても当然だ。

 沖縄戦の集団自決を巡る軍関与論争は(軍命令だとする)ノーベル賞作家大江健三郎VS(否定派の)作家曽野綾子氏などで激しく展開されている。太平洋戦争は確かに軍部の暴走が引き金となった。開戦当初は軍に逆らえば非国民の烙印をおされたが、後半は“転進”という名の敗走の連続で士気は退廃。軍隊とは名ばかり、統率力を欠い烏合の衆と化していた。

 戦争末期、予備士官候補生だった私が隊付き勤務した(昭和20年5月12日〜同22日)宇都宮東部44部隊(現、作新学院付近)の兵舎内には堂々と浴衣が干してあった。
 また、フィリピン方面軍総司令官の富永中将が台湾へ飛行機で単身敗走した件に激怒し、酒に酔って「日本は負けた、負けた」と、大声を出して営舎内を触れ回った区隊長もいた。内地でさえ、こんな状態だったのだから、戦闘下の沖縄でたとえ軍命令があったとしても、民間人にどこまで威令が伝達されたか疑問である。

 この集団自決論争は、年を越してからも繰り返された。
 さる1月13日付毎日新聞は、防衛省防衛研究所が、既に「集団自決は戦隊長命令でなかったことが証明されている」旨の見解を公表していたことに触れながらも、事実が確定していない段階で見解を公表したのは「国の業務を大きく逸脱していた」との反発もあり、同研究所内には「不適切だった。削除したい」との声があると指摘。さらに続報として「集団自決は村助役の独断であり、戦後補償のために軍命令とした経緯が証言されている」としている。

 指摘されてみれば、当時は「国民皆兵」と言われていた。国民教育が徹底し、国民必携とされた『戦陣訓』には「生きて虜囚の辱めを受けるなかれ」と記されていた。“鬼畜米英”が叫ばれ、負ければ婦女子は犯され、男子は去勢されると流布されもした。敗戦直後、私たち士官候補生の中にも「将校を志願したのだから本当にタマを抜かれてしまうのか」と動揺する者もいたのだから、手榴弾を前にして「命令だ」といわれたら、本気で自決したであろう。
 この問題を特集した雑誌『WILL』(1月号)を読めば、手榴弾などその気になれば容易に手に入ることが分かる。

 先の大戦史を語る時、沖縄戦での集団自決は原爆投下と同じくらいの重さを持ったものではなかろうか。この史実の究明をいい加減な妥結で済まされたのでは、死者は浮かばれない。









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