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−庫裡から悶々−トップへ  第13回                               (2007/05/27)
  失われたニッポン人のDNAは再生出来るか
 
庫裡から悶々
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第35回 語り継ぐ義挙

第34回 良い夢見ようよ

第33回 舌禍読禍宰相禍

第32回 冒頭の終わり

第31回 振り込め詐欺の真犯人

第30回 「老人力」のすすめ

第29回 僧徒たるを悔ゆる日

第28回 偶感「昭和二十年八月十五日」

第27回 仰げば恥ずかし わが師の陰

第26回 横綱の品格

第25回 『黄門さま』いずこ

第24回 戒めの16文字

第23回 百年目の「汚物教師」

第22回 怠慢の「12分」

第21回 物言いの一番

第20回 沖縄戦集団自決の真相究明に妥協は許されない

第19回 落ち葉して木々凛々と

第18回 『広辞苑』と私

第17回 子なき家

第16回 “軽老精神”

第15回 5W1Hプラスα

第14回 教育勅語から酌むべきもの

第13回 失われたニッポン人のDNAは再生出来るか

第12回 助けられたり助けたり

第11回 怯懦な共犯者

第10回 「最良のもの」探す日々

第9回 内角の和の中にをり石鼎忌

第8回 世直し先生は街角にいる

第7回 ある天文学者の遺言

第6回 壊れる家々の悲鳴

第5回 嗚呼!硫黄島−兵士たちの慟哭が聞こえる


第4回 よく聴けよ!柳沢大臣

第3回 無機質な社会の中で


第2回 義挙へのもどかしさ

第1回 ついの棲み家は姥捨山

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 カモン!ルーシー
とかくこの世はははんほほう話


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 檀林風発


肇道和尚の「如是我聞」

 ご苦労様、還暦を迎えた団塊さん。敗戦で身も心も丸裸になったニッポンに突如現れた空前絶後の大増殖現象。それは皆さん方、団塊世代の出現でした。
 この「戦後の第1世」を迎えたニッポンの社会では旧来のあらゆる事象が、敗戦責任を問われてぶち壊されていました。家父長を中心とした家庭制度は崩壊され、従来型の教育も道徳も歴史すらも否定されていたのです。

 そんな社会に生きる団塊世代の皆さんは、手探りで模索の日々を積み重ねていたのです。学校では手にする教科書もなく、指導する教師の中には「デモシカ先生」と呼ばれた人もいました。
 食うためには教師にデモなるか。教師にシカなれない人々が教壇に立っていたのです。
 そんな環境の中で皆さんは、受験戦争や就職競争を勝ち抜き、戦後の科学主義、合理主義の影響やマルキシズムの洗礼を受け、学園紛争、安保闘争を経験し、試行錯誤しながら成長したのです。
 同じ世代に生きながら、価値観が多様化しているのは、そのためでしょう。その一方でバブル景気を支えた主役でもあったのです。

 当時、私の同僚が造語した「鍵っ子」はやがて流行語となりました。戦後の復興に身を粉にした親たちは、わが子の教育どころではなかったのです。放置された団塊ジュニアたちが、わが家の鍵を首からぶら下げて遊んでいた姿を、想像して下さい。


 戦後生まれの安倍首相が、祖父から教え継がれた「美しい国・日本」に憧れたとしても不思議はありません。
 安倍さんは「美しい国」作り構想の筆頭に「教育再生」を挙げました。「教育再生」論の過程に「親学」が登場したのです。

 親学とは、耳慣れない言葉です。ある人は子育てだといい、子守歌を聞かせたらいいという人もいます。が、実際は子供のしつけのことのようです。躾は確かに親のやるべきことでしょう。だが……、その親役を務められるのは誰でしょうか。

 団塊世代はとかく自己チュウだといわれています。その人々もシルバー族と呼ばれる過去の人となりつつあります。いまの時代を取り仕切っている親たちはかつての団塊ジュニア(戦後派2世)です。
 親学の対象となっているのは、この戦後派2世とその子供たちに当たる3世たちなのです。


 この60年間。ニッポン人の遺伝子を引き継いでいたと思われるのは団塊さんまで。2世、3世になると国家、家族、社会観はもちろん犯罪の形態まで様変わりしてしまいました。お寺の中にいると、家族制度などはとっくに崩壊してしまっていることが良く分かります。
 親と子、教師と生徒の壁、長幼の序など何処を探しても見つかりません。学ぶべき昭和のDNAは陰さえ見あたりません。

 仏教では、お釈迦様がなくなられて2千年以後の世界を末法の世と説いています。殺生、盗み、暴行なんでもござれの末世に安倍流親学が何処まで通用するのでしょう。
 子供は親の背中を見て育つといいますが、いまその親たちの資質が問われているのです。

 昔、寺子屋は、お経と一緒に論語も教えました。門前の小僧は教えられなくても経を読み、論語を諳んじて先人の道を求めたのです。
 失われたニッポン人のDNAを再生させるために、私たちは今、ナニを為すべきでしょうか。『庫裡から悶々』として、この公案解きに苦慮しています。







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