−テラリスト宣言−ホームへ
ニュース&トピックス城源寺へようこそテラリストとは?城源寺に集え!紅さんの講談教室!リンク(準備中です)
みんなの意見住職によるコラムなど檀家さん専用(準備中です)
Home

−庫裡から悶々−トップへ (2007/04/12)
  第9回 内角の和の中にをり石鼎忌
庫裡から悶々
Top
第35回 語り継ぐ義挙

第34回 良い夢見ようよ

第33回 舌禍読禍宰相禍

第32回 冒頭の終わり

第31回 振り込め詐欺の真犯人

第30回 「老人力」のすすめ

第29回 僧徒たるを悔ゆる日

第28回 偶感「昭和二十年八月十五日」

第27回 仰げば恥ずかし わが師の陰

第26回 横綱の品格

第25回 『黄門さま』いずこ

第24回 戒めの16文字

第23回 百年目の「汚物教師」

第22回 怠慢の「12分」

第21回 物言いの一番

第20回 沖縄戦集団自決の真相究明に妥協は許されない

第19回 落ち葉して木々凛々と

第18回 『広辞苑』と私

第17回 子なき家

第16回 “軽老精神”

第15回 5W1Hプラスα

第14回 教育勅語から酌むべきもの

第13回 失われたニッポン人のDNAは再生出来るか

第12回 助けられたり助けたり

第11回 怯懦な共犯者

第10回 「最良のもの」探す日々

第9回 内角の和の中にをり石鼎忌

第8回 世直し先生は街角にいる

第7回 ある天文学者の遺言

第6回 壊れる家々の悲鳴

第5回 嗚呼!硫黄島−兵士たちの慟哭が聞こえる


第4回 よく聴けよ!柳沢大臣

第3回 無機質な社会の中で


第2回 義挙へのもどかしさ

第1回 ついの棲み家は姥捨山

バックナンバー一覧


 カモン!ルーシー
とかくこの世はははんほほう話


感想等はこちらからお送りください
   メールフォーム

 檀林風発 


肇道和尚の「如是我聞」

 城源寺の檀徒・波多江たみ江さんは、俳誌『鹿火屋(かびや)』の同人である。表題の句は彼女の句集『内角の和』に収められている。
 たみ江さんは八十余歳なのだが、花鳥風月ならぬ数学の専門用語を詠み込んだあたりはいかにもみずみずしい。文学の世界に年齢はない。

 内角とは多角形の内側の角のことだが、俳人の原裕氏の評によれば、ここでは三角形の内角の和を指すらしい。
 三角形といっても正△、二等辺△、その他もろもろの不平等△があるが、いずれも内角の和は180度となる。よく知られた定理だ。

 人の集うところには必ず定め事がついて回る。それが、定理であり、法則なのだ。その法則を無視するとどんなことになるのだろう。

 例えば、3+2×2=?という設問にあなたはナンと答える。
 正解は当然ひとつしかないのだが、60〜70歳の年配者に聞くと、答えは10と出たりする。
 3+(2×2)とする計算ルールがあるのだから正解は7でなければならない。だが、とかくルールを無視したり、忘れたりするからややこしくなる。

 さらに、ニーズの多様化と我が儘、ごり押しなどいろいろなエゴが混在する現実社会では、正解必ずしも正論とならず、“内角の和”も千々に乱れる。

 智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい (草枕) などと、漱石を気取ってもいられない。

 『鹿火屋』の主宰は創刊者・原石鼎の没後、コウ子夫人、裕氏へと継承された。たみ江さんは足し算の和と人の和を重ね合わせ、石鼎忌に集う同人たちの熱い思いは和の中にあると言いたかったのだろうか。深い句である。




※原石鼎(はら せきてい) 1889年、島根県生まれ。高浜虚子にその才能を高く評価され、『ホトトギス』の第一期黄金時代を築いた俳人の一人。1921年に俳句雑誌『鹿火屋』創刊、主宰。1951年12月20日(石鼎忌)、65歳でこの世を去った。 その後『鹿火屋』は夫人のコウ子、養子の裕(ゆたか)と継承され、現在は裕夫人の和子が主宰を務める。石鼎の風雅の志を継ぐ『鹿火屋』は昨年1,000号を超えた。




Copyright © 2007 JOUGENJI All Rights Reserved.
−テラリスト宣言−小田原 城源寺のホームページです。