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−庫裡から悶々−トップへ (2007/02/12)
第3回 無機質な社会の中で     
庫裡から悶々
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第35回 語り継ぐ義挙

第34回 良い夢見ようよ

第33回 舌禍読禍宰相禍

第32回 冒頭の終わり

第31回 振り込め詐欺の真犯人

第30回 「老人力」のすすめ

第29回 僧徒たるを悔ゆる日

第28回 偶感「昭和二十年八月十五日」

第27回 仰げば恥ずかし わが師の陰

第26回 横綱の品格

第25回 『黄門さま』いずこ

第24回 戒めの16文字

第23回 百年目の「汚物教師」

第22回 怠慢の「12分」

第21回 物言いの一番

第20回 沖縄戦集団自決の真相究明に妥協は許されない

第19回 落ち葉して木々凛々と

第18回 『広辞苑』と私

第17回 子なき家

第16回 “軽老精神”

第15回 5W1Hプラスα

第14回 教育勅語から酌むべきもの

第13回 失われたニッポン人のDNAは再生出来るか

第12回 助けられたり助けたり

第11回 怯懦な共犯者

第10回 「最良のもの」探す日々

第9回 内角の和の中にをり石鼎忌

第8回 世直し先生は街角にいる

第7回 ある天文学者の遺言

第6回 壊れる家々の悲鳴

第5回 嗚呼!硫黄島−兵士たちの慟哭が聞こえる

第4回 よく聴けよ!柳沢大臣

第3回 無機質な社会の中で


第2回 義挙へのもどかしさ

第1回 ついの棲み家は姥捨山

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 カモン!ルーシー
とかくこの世は
ははんほほう話

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 檀林風発


肇道和尚の「如是我聞」

 近ごろ、有機とか、無機とかいう言葉がやたらと使われている。
 野菜は有機に限るという。農薬などを使わず、堆肥で栽培した野菜は旨味が違う。そんなことは誰でも知っている。
 じゃ、有機ってどんなこと、無機って?となると、辞書に頼らないと正確な答えが出て来ない。それがまた、難解なのである。
 そんなときは、高級な辞書よりも手近な字引の方が分かり易いこともある。

 三省堂の『新小辞林』に 【有機】 生活機能と生活力をもつこと(もの) 【無機】 水、空気など生活機能のない物質の総称― とある。これならなんとなく分かる。

 かって、民主党が期待はずれだと“無機質の党”などと批判されたことがあった。理屈はこねるが、生活実感がないということなのだろう。同じことは宗教界にも言えるのではないか。既成教団の無機質化が目立つ一方で、新宗教のパワーはなんとも有機的である。
 お寺向け業界紙に「町ダネを加えて法話の幅を広く」と提案する記事が載った。マンネリで平板なお説教に生活観を注入しろという。無機質な法話の有機化である。その例題として取り上げていたのが“文庫のおじさん”であった。

 戦後間もないころ、岡山にカバの商標で売り出したキャラメルがあった。箱に印刷されたマークの点数に応じて小さな絵本をくれた。子供向け出版物の少なかった時代だけに“カバの文庫”の絵本は全国の子供たちに大歓迎された。キャラメル会社の文庫係をしていたおじさんのもとには、子供たちからたくさんの感想文や感謝の手紙が届いた。文庫のおじさんはその一つ一つに返事を書いた。
 文庫のおじさんはやがて定年を迎え、そして亡くなった。葬式の席で、保存されていた子供たちの作文や手紙の一部が披露された。
 会葬者は、地味で下積みだった「文庫のおじさん」の顔を、子供たちの笑顔とオーバーラップさせて「いいお葬式だった」と語り合った、という。

 町ダネはマイカーを運転していては拾えない。大衆の中に飛び込み、自らの耳で聞き出すもの。対話の中から引き出すものである。
 核家族化や少子化、時には携帯電話の普及が、人々から談笑の場を奪い、無機質な家庭や社会を作り出してしまった。そんな社会構造の中からほのぼのとした町ダネを期待するのは所詮無理かもしれない。

 と、思っていたら、とんでもない話が飛び出した。それは次回。乞うご期待!





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