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−庫裡から悶々−トップへ (2007/01/12)
第1回 ついの棲み家は姥捨山  
庫裡から悶々
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第35回 語り継ぐ義挙

第34回 良い夢見ようよ

第33回 舌禍読禍宰相禍

第32回 冒頭の終わり

第31回 振り込め詐欺の真犯人

第30回 「老人力」のすすめ

第29回 僧徒たるを悔ゆる日

第28回 偶感「昭和二十年八月十五日」

第27回 仰げば恥ずかし わが師の陰

第26回 横綱の品格

第25回 『黄門さま』いずこ

第24回 戒めの16文字

第23回 百年目の「汚物教師」

第22回 怠慢の「12分」

第21回 物言いの一番

第20回 沖縄戦集団自決の真相究明に妥協は許されない

第19回 落ち葉して木々凛々と

第18回 『広辞苑』と私

第17回 子なき家

第16回 “軽老精神”

第15回 5W1Hプラスα

第14回 教育勅語から酌むべきもの

第13回 失われたニッポン人のDNAは再生出来るか

第12回 助けられたり助けたり

第11回 怯懦な共犯者

第10回 「最良のもの」探す日々

第9回 内角の和の中にをり石鼎忌

第8回 世直し先生は街角にいる

第7回 ある天文学者の遺言

第6回 壊れる家々の悲鳴

第5回 嗚呼!硫黄島−兵士たちの慟哭が聞こえる

第4回 よく聴けよ!柳沢大臣

第3回 無機質な社会の中で


第2回 義挙へのもどかしさ

第1回 ついの棲み家は姥捨山

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 カモン!ルーシー
とかくこの世は
ははんほほう話

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 檀林風発


肇道和尚の「如是我聞」

 収骨を待つ火葬場の控室。「お願いが有るのですが」と切り出したのは新亡の長兄に当たる施主だった。

 まず、故人の身の上話―老夫婦世帯だった。残された奥さんは耳の不自由に加えて軽度だが脳梗塞の後遺症を抱えた障害者。夫婦の年金で細々と生活してきた。食事などの家事は夫がやってきた―などと打ち明けた後、「子供もいないので寺で位牌を預かってやってもらいたい」。

 預かるか、どうかより、まず奥さんはどうなるの。

 「一週間、施設に預けて、その間に家を片付けて大家に返します」

 それで

 「追々、みんなで相談して―」

 まるで、姥捨山だ。ひどい。私が叫ぶのと同時に、側にいた親戚の一人も怒り出した。「そんなのないよ」。

 一週間後、葬儀社を通じて私の許に届いた結末は、予定通り借家は整理した。障害者の奥さんは施設を出されて、施主を務めた長兄が“とりあえず”引き取ったというのだが……

 改めて我が隣組の事情はとみれば、これまた深刻である。

 総勢十二軒が揃って老人世帯、うち五軒が夫に先立たれてひとりぼっちの独居。暗澹たる現状だ。

 実は、一昨年暮、八十四歳になる身内が亡くなった。脳梗塞の後遺症による半身マヒで五年の闘病生活(殆ど在宅)を経たが、死の半月前になって突如、末期ガンと宣告され、余命三ヵ月の重篤との診断。五十年以上も通い続けていた病院から急に「瀕死のガンです」といわれてもピンと来ない。

 許せないのはその後の医者の対応だった。あと三月といった、その翌日には退院勧告。その後も“余命あと数日”となったり“越年出来るでしょう”と言った翌日“ちょっと来てください”との電話で駆けつけたときには、殆ど動いていない心電図をみながら「ご臨終です」とは。

 最後の一週間の看護士の対応もゾッとすることばかりだった。

 下顎に二、三本の差し歯しか残っていなかったから口を開けて上から差し込むようにしないと入らない義歯を、横から押し込まれて顔をしかめている身内を見た。その翌日、折れた差し歯がベッドのシーツに落ちていた。

 療養とは名ばかりの老人医療の実態は、怒りなくしては語れない。

 介護行政にも文句はある。私の住む町では独居老人に「食事券サービス」を行っている。一食千円の弁当を五百円で提供してくれる有り難い制度だと思っていたら、「中身はやっぱり五百円弁当だ。それには裏がある」と給食業者が真相を暴露した。業者には、給食老人の安否確認を義務づけていたのだ。

 これからは、小金をもっているくらいでは、老人は生きて行けない。家族には見放され、医者も駄目なら国も駄目。年金も介護保険も当てにならない。老人は一体、何処につい(終)の棲み家を求めたらいいのだ。

 「姥捨山行き予備軍はいやだ」と書いたプラカード持って国会周辺をデモしよう。わが寺のテーマは「生命の尊厳」なのだ。







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