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和尚が聞く!
神田紅さん インタビュー
講談師 神田紅さん インタビュー
 「万芸一芸を生ず」。紅さんの師匠の故2代目神田山陽先生が遺した言葉です。紅さんほど言葉通りに実践し、芸を花開かせた講談師はいないでしょう。歌に日舞に三味線にタップダンス……。多芸多才ぶりを遺憾なく発揮、伝統芸能の講談にポップな新境地を開きました。一方で古典講談から新鮮な魅力を引き出して、講談界の人気復活に一役も二役も買っています。満2歳(?)で入門したという講談は、今年で30年目。今秋のパリでの晴れ舞台を前に、講釈師として“見てきた真実”を聞きました。

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 ――今日は大入り満員、札止めです。恒例の講談教室も『紅恋(ぐれん)源氏物語』も、“紅節”は絶好調。大雨の中を、詰めかけてくれたお客さんは大喜びでした。
“紅節”絶好調! どしゃ降りになったので、ひょっとしたらお客さまの入りは“イマイチ”かな、と心配していましたが、大勢いらしていただいて……。ありがたいことです。

 ――おかげさまで紅さんの講談教室は、今回が24回目。すっかり「城源寺フォーラム」の顔になっていただきました。
 1995年からですから、今年で13年。早いものですね。常連さんのお顔を拝見するのもうれしいのですが、毎回、新しい参加者が加わってくださるのも励みになります。盛況なのは、ご住職のお人柄のせい。感謝しております。

        講談師は長生き

参加者も大喜び! ――いやあ。それだけ紅さんのファンが多い、ということです。それに、回を重ねるたびに芸が磨かれ、輝きが増すのを、うれしく実感させていただいております。昨年は、女優になった年から起算して「芸道30年」と銘打った記念公演を行われましたが、今年は講談を始めて30年目。すっかり大御所になられましたね。
 とんでもない。まだまだです。師匠山陽はよく「芸人は70歳で一人前」と言っていました。ご自身はもともと「お旦(だん)」と呼ばれる芸人をひいきにする旦那で、趣味が高じて講談師になった方です。30歳を過ぎてからの入門でしたから、40年やれば何とかなる、という意味だと聞いています。私は多少は入門が早いので、その分を差し引いて、65歳を過ぎて師匠の境地になっていたらいいな、と思います。難しいでしょうけれど。

 ――70というのは言葉のあやとしても、講談は随分息が長い芸なのですね。
 ええ、それは本当。喉(声帯)というのは人間の体では一番丈夫な臓器だそうで、喉を鍛えておけば、歳をとっても声は若いときと変わらない、声は歳をとらないといわれます。

 ――そう言えば、昔の友人から何十年ぶりかで電話をもらったことがありますが、すぐに声音で友人と分かりました。
紅さん 加齢と共に声は多少低くなりますが、声質は変わらない。犯罪捜査の声紋鑑定でも何年も前の録音と比較ができる、と聞いたことがあります。その喉で大声を出すのは健康に良いらしく、講談師はいつも声を張り上げているから丈夫で長生きする、と言われています。事実、80歳を超してなお現役の先輩が、たくさんいらっしゃいます。私が入門してからの30年、70歳代で亡くなった講談師は一人だけ、それも70歳代後半でした。あとは皆さん、80歳どころか、もっと長生きされています。うちの師匠も2000年の10月に亡くなりましたが、満91歳でした。

 ――講談教室で生徒さんに向かって「大声を出せば元気に長生きできますよ」とよく話されていますが、本当なんですね。
 ええ。大声で講談を唸ってストレスを発散し、思いっきり拍手して指先の血行を良くする、というのは確かな健康法ですよ。もっとも長寿という意味では、講談は義太夫の世界にはかないません。義太夫界には100歳を超す現役の方がいらっしゃいます。幼いころから鍛え上げた喉は変わらないんですね。能や狂言も同じじゃないかしら。

 ――それに引き換え、落語家は寿命が短いとか。
 だから“落伍(者)”なーんて仲間内では笑っていますが、講談師に比べれば、間違いなく短命だと思います。初老のうちに引退されるケースも目立ちますし、65歳以上で活躍される現役は限られているようです。2001年に亡くなった3代目の古今亭志ん朝師匠は63歳、1980年に逝去された林家三平師匠も54歳でしたしね。

「大声で語ると長生きできますよ」 ――どうしてでしょう?
 ストレスの影響でしょうね。落語は「間の芸」と呼ばれていますが、ただ噺を語るだけでなく、お客さんを始終笑わせていなければなりません。どうやって笑わせようか、と四六時中考えていますし、高座がウケなければ落ち込んでしまう。だから、お酒もよく飲むし、飲めば体に障る。精神的な負担も大きいように映ります。

 ――講談はそれほどではない?
 講談師だって、もちろんお客さまの反応が気になりますし、顔色をうかがいながら演じています。お酒も飲みますが、講談は声と調子の芸ですから、お客さまが聞いていようがいまいが、眠っていようが、大胆にやり通せてしまうところがあるんです。落語家ほどにはストレスを感じていないはずです。

 ――落語家にしろ講談師にしろ、ベテランになるほど技量が上がり、レパートリーも増えるものではありませんか。
 それはそうですね。三遊亭円生師匠は“円生百話”といわれ、いつでも話せるネタが100を超す、といわれていました。でも、晩年は事前にさらわないと思い出せない話があったそうです。山陽師匠も300席の持ちネタがあると聞いていましたが、すぐやれ、といわれて語れる話の数は限られていたのではないでしょうか。どうしても記憶力は加齢には勝てないようです。

 ――紅さんご自身はどのくらいのネタをお持ちなんですか?
 100席ぐらいありますが、どうでしょうか、すぐに語れるのはせいぜい10席止まりでしょうね。古典と新作は半々ぐらいです。どちらかと言えば、古典の方がきちんと覚えるものですね。新作は自分で作るせいで、自由にアレンジができてしまう。それが良いところでも、悪いところでもありまして。

     渡仏する“紅源氏”

 ――新作と言えば、今日、語っていただいた『紅恋源氏物語』は代表作ですが、確か二ツ目から真打に昇進される時の記念に作られた話で、ご自作としての走りですね。今年11月、日仏交流150年を記念するフランス公演の演目とも伺っています。当山のお客さんは、パリ市民に先駆けて楽しませていただいた格好です。
変幻自在の語り口 フランスでも今日のところと同じ、第一帖の「桐壺」から第四帖の「夕顔」までを語ります。この作品は、自分で原典を全部訳すところから始めましたから、一冊の本にまとめるまで大変で、丸2年ぐらいかかりました。その後も試行錯誤しながら手直しを加えています。今日は私が演じただけですが、本当はBGMが入り、雅楽のメロディーでムードを盛り上げたりもするんです。王朝文学の美の世界を、パリっ子たちにもできるだけ理解してもらいたいと、目下、構成などに工夫を凝らしているところです。「夕顔」を中心に語ることになりそうです。

 ――今年は『源氏物語』が世に出てからちょうど1000年。絶妙のタイミングですね。日仏友好にもふさわしい演目ですが、もともと「源氏」はお好きなのですか?
 好きというよりも、私、物語の構成力のすごさに圧倒され、感動したんです。講談にするために原作だけでなく、“谷崎源氏”や“円地源氏”なども読みましたが、「桐壺」で光源氏が誕生したかと思うと、続く「帚木(ははきぎ)」でいきなり光源氏と友人たちとの女性談義「雨夜の品定め」が始まる。それが伏線となって、お目当ての女性の空蝉ではなく、その継娘と結ばれてしまったり、身分は高くないが無邪気で初々しい夕顔との出会いと悲しい別れがあったり……といった具合に、ダイナミックに物語が展開されていく。だらだらと描かれたラブストーリーの長編ではなく、万事に計算され尽くされた文章なんですね。作者の紫式部は大したものだとしみじみ思います。

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