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ははんほほう話 第8回                               (2007/08/23)
私のお墓の前で泣いてください
ははんほほう話
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第11回 僧侶の一分

第10回 妙子地蔵縁起

第9回 「共生」考

第8回 私のお墓の前で泣いてください

第7回 「足のない教団」といわれて

第6回 おふくろさんよ

第5回 ウルトラマンの慈悲

第4回 ほのぼの交番

第3回 「定形外」を目指す


第2回 再論・悪魔ちゃん騒動

第1回 本能と煩悩

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 カモン!ルーシー
庫裡から悶々
とかくこの世は




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 檀林風発




肇道和尚の「如是我聞」
 
 お墓の前で泣いていた女性に、私の母は、いつもこういって励ましていた。
 「挫けちゃ駄目だよ。きっといいことがあるだろうから頑張るんだよ」。
 私の子どものころのことだから戦前の話だ。詳しい事情は判らないが、不幸な結婚の心の痛みを亡き母の墓前で癒していたらしい。

 それから十数年後。セーラー服の中学生が寺を訪れた。少女は墓の前で泣いていた女性の娘だった。「修学旅行で小田原に来ました。自由時間を利用して、ご先祖の墓参をしてくるように母にいわれました。お寺のおばさんには“お蔭で母は今、幸せに暮らしている”と報告してくるよう伝言されました」と明るく話して帰った。

 十年ほど前のことだった。墓石をタワシで洗っている見かけぬ若者がいた。問い質すと「静岡の○○です。祖母の実家の墓参りにきたので」という。冒頭のお墓の前で泣いていた女性の孫だった。


 いま、城源寺墓苑の入り口に「人がいる 家がある 人々の生きる証 ここに」と刻んだ石が建っている。わが寺の墓苑のテーマは『生きる』である。

 先祖から子孫へ。その接点にあなたが生きているのだ。墓参りとは、死者と語り合うことだけではない。あなたが今に生きるその生命のルーツがここにあることを検証することでもある。
 お墓に詣でることは、自分を見つめ、自分を考えることにほかならない。お墓の前で泣いた女性の三代にわたる思いが、私にこの墓苑のテーマを作らせた。


 「私のお墓の前で泣かないでください」といいながらも、「千の風」になったお墓の主は、ときには畑に降りそそぐ光や朝の目覚まし鳥となったり、夜中の星となって優しくあなたを見守ってくれているのに、どうして泣かないでいられよう。あの歌詞とは裏腹に「泣いてください」といっているのだ、と私は思う。

 お墓の前で、しみじみと泣ける彼我の人情の温もり。そんな時代があったことが懐かしい。



                                      「墓苑」




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