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ははんほほう話 (2007/01/29)
第4回 ほのぼの交番    
ははんほほう話
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第11回 僧侶の一分

第10回 妙子地蔵縁起

第9回 「共生」考

第8回 私のお墓の前で泣いてください

第7回 「足のない教団」といわれて

第6回 おふくろさんよ

第5回 ウルトラマンの慈悲

第4回 ほのぼの交番

第3回 「定形外」を目指す


第2回 再論・悪魔ちゃん騒動

第1回 本能と煩悩

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 カモン!ルーシー
庫裡から悶々
とかくこの世は


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 檀林風発




肇道和尚の「如是我聞」
 
 2月3日は節分。私の寺の豆撒きは三年前から「鬼は外」の第一声に続けて「福は内、福は内」。最後を「鬼も内」で締めくくることにしている。

 数年前のことである。
 暴走族仲間のトラブルで自殺した若者の回向を頼まれた。法要当日。一人で現れたその母親が
 「息子の友だちが出席してくれるという。参列させてもよろしいか」。彼らはすでに他所で返事を待っていた。

 「ヤッパリ暴走族?」「そうです」。
 実は私の記者仲間だった吉野正弘君が十数年前、片瀬海岸で暴走族を制止しようとして、殴り殺されている。夕刊コラムを担当していた書き手だった。複雑な思いだったが、今さら後には引けない。承知した。

 やがて、茶髪に黒の礼服姿の若者十数人が隊列を組んでやってきた。異様な出で立ちに近所の人々も目を見張った。

 法要中に痺れがきれたら膝を崩してもよろしい、と告げて回向に入った。二十分の読経中しわぶき一つ聞こえない。終わって振り返って、驚いた。彼らは全員、正座を崩していない。
 「五分いや十分くらい話の時間をくれないか」。彼らはうなづいた。しかしアグラをかくものは一人もいなかった。

 日想観などに触れた後、率直に暴走族に対する世間の迷惑を語り、だが、今日の君たちの率直な姿勢には感心した。みんなの澄んだ瞳に安心した。いっ時、諸君を誤解して済まなかった、と彼らに詫びたとき、私の目もうるんでいた。
 一行は最敬礼して引き上げた。

 以来、亡くなった暴走族の墓前には生花が絶えたことがない。墓参姿を見かけて声をかければ、寺に寄ってお茶を飲んで帰ることもある。

 そこで教えられた。
 「強い光の陰は濃い」というゲーテの言葉の裏も、また真実であることを。
 あのイソップ物語の「北風と太陽」のように、力の正面対決は決して問題解決の道ではないことも。
 規則で縛って、教室の乱暴者を登校停止にしたところで、静かな学校が戻ってくるとは限らない。

 かって茅誠司東大学長が「小さな親切運動」を提唱した。当時、バス待ち行列の割り込みなど小暴力が横行し、人間関係がギスギスしていた。そんな環境の中から生まれた小さな親切運動だった。

 追放した鬼を野に放りっぱなしでは、危なくて外も歩けない。放り出した鬼を、再び呼び戻して和顔愛語(わげんあいご)で包んでやれば、改心するに違いない。そんな期待を込めての「鬼も内」だった。

 ホカホカ。ポカポカ。人間社会が求める共通語としたい。寒い夜の焼き芋談義、コタツを囲んだ一家の団欒。忘れられてしまった温もりの場を取りもどそう。

 暖まる話を聞いたら皆で共有しよう。それを伝達する場所を町中に設けたい。
 その名は「ほのぼの交番」なんてどうだろう。
 「もっと光を」。ゲーテの残した言葉は味わい深い。

                                   「節分会」


2009年の『節分会』は、2月3日(火)午後1時半から
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