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ははんほほう話 (2007/01/07)
第3回「定形外」を目指す
ははんほほう話
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第11回 僧侶の一分

第10回 妙子地蔵縁起

第9回 「共生」考

第8回 私のお墓の前で泣いてください

第7回 「足のない教団」といわれて

第6回 おふくろさんよ

第5回 ウルトラマンの慈悲

第4回 ほのぼの交番

第3回 「定形外」を目指す


第2回 再論・悪魔ちゃん騒動

第1回 本能と煩悩

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 カモン!ルーシー
庫裡から悶々
とかくこの世は


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 檀林風発




肇道和尚の「如是我聞」
 
 「定型」とは、読んで字の如く“型にはまっている”こと。定形郵便と言えば、郵政省で決めた寸法、重さの郵便物である。この規格からはみ出すと、定形外といって、郵便料金が割高となる。

 定型には安定感があり、扱いやすいから万事無難だが、存在感は薄い。衆にまぎれて安逸を貪ることもできる。世の中で目立ちたかったら定形外の人間になればよい。だが、ときに“変人”と言われ、つまはじきされることもある。

 美術館もどきの城源寺本堂は、これまでの寺院建築のイメージを破った点で定形外建物である。はじめから奇をてらったわけではない。家族制度の崩壊、少子化の傾向、社会構造の変化に伴う価値観の多様化などを見据えた上での選択であった。墓地の入手難が散骨という葬祭手段を生み、葬式寺院の批判へと拡大されている。こうした新風潮への“一つの回答”として城源寺本堂を位置づけたい。

 昔、寺子屋があった。戦前には寺で日曜学校を開いたていた。いずれも庶民啓発の場であった。地域文化は寺を起点としていたのである。同時に住民のための生活情報も寺から発した。今、週休2日制の時代。ただカウチポテトを決め込んでいても、疲れ切った心は休まらない。今こそ寺は《心の故郷》という原点に立って地域文化の情報を発信し、心のオアシスを提供すべきであろう。とは言え、まだ建築費の残債を抱えている当寺にとって、その実現は容易なことではない。が、幸い新聞社勤務時代の人脈に支えられてスタートしたのが城源寺フォーラムである。今後も年に6、7回の開催を予定している。

 父である城源寺の先代住職は、大正末から昭和初期にかけてマキノ教育映画のフイルムと米国製映写機デヴラを携えて、巡回映画伝道を行った。活動写真と呼ばれた草創期の映画はもちろんサイレントである。先代は自ら弁士を務めた。布教、教化に試みたこの新機軸は先代の病のために挫折した。国内最初にして最後の映画伝道だった。映画伝道に継承者が現れなかったのは、多分、定形外の壁を破れなかったためだろう。

 生活の多様化がさまざまな価値観を生み出している昨今、定形外は必ずしも異端ではなくなった。寺を地域文化・情報の発信地とする発想は、新しい価値観を求める人々の支援の花で咲かせてほしい。

                      (『花岳山報』1993年9月20日号「月光」をリメークしました)




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